死と悩み事は万人の元へ平等に訪れるというが、この稼業に身を置くと痛烈に感じてしまいます。
ホント、人の心は金で買えないものだなあと…。
格差社会の中で勝ち組になってお金を持ったとしても、恋愛運のない人は意外に多いんです。
一方で、ギリギリの生活をしていながらも、夫婦円満で子宝に恵まれ幸せいっぱいの人も少なくない。
"恋愛格差"は逆転していたりするところが人間の面白いところですね。
話を元に戻しましょう。我々は、何の因果かこの"恋愛運"のない人をサポートする仕事を生業としています。
さて、このサポート。一口で言うとカンタンに聞こえますが、なかなかどうして、やたら人間力が必要だったりします。
ありとあらゆるパターンの人間関係に関わっていって、「なぜ別れてしまったのか」、「何がいけなかったのか」、「本当はどう想っていたのか」など、
過去の恋愛におけるホンネとも言うべき部分を掘り起こしていかなければいけないのですから…。
どうして、そんな仕事を探偵が請け負うようになったのかについては諸説ありますが、別れさせを含めて、 復縁に向けたサポートを探偵に依頼してくる人は跡を断ちません。
まず、依頼人と向き合い根本的な原因を究明していく。
それから、今度は復縁を目指す相手に接近。
仲良くなって、ホンネの部分を聞き出した上で、依頼人との復縁を説得していくわけですが、
この双方のサポートにおいて問われるのが人間力ということなんですね。
そりゃそうですよね。
「この人の言うセリフには説得力がある!」と思わせなければ、人の心なんて動かせない。
相手にとってチャーミングな人物にならなければ聞く耳なんて持ってくれないのですから。
私の場合、男性の対象者に接触して関係性を築き、相手と会う機会を設けて気持ちを解きほぐしていくというパターンが多いですね。
よって、話題が豊富であることは絶対条件となります。
中学なら高校にかけて勤しんだテニス、ラグビー、野球、サッカー。途中、成績稼ぎのために魂を売って鉄道研究会にも所属していましが…。 その後、浪人生活を経て大学に進学。いわゆるキャンパスライフを謳歌しながら、BAR、カラオケパブ、スナックなどありとあらゆる水商売を経験。 大学卒業後、興味本位で焼き芋売りに身を置いた際には、ヒエラルキー=格差を肌で感じる機会を得ました。 人に蔑まれるというのはけっこう辛い…。
さらには、友人の誘いで週刊誌記者に転身。
グラビアページを担当し、当時16歳だったサトエリに「じゃ、今度は女ヒョウのポーズでいってみようか!」などと好き勝手にポーズをつけたりしていました。
芸能人を張り込んで追跡したり、なかなかエキサイティングな時期でしたね。
余談ですが、フーゾク取材もよくやってました。ハイ…。
それから、探偵業に身を置くようになったわけですが、これまでの経験値が大いに役立っていることは、言うまでもありません。 気付いたころには、話題のバリエーションも豊富になっていました。
対象者と会うときには、店の引き出しをどれだけ多く持っているかという点も重要です。
調査はチームプレイで行うのが基本。
メンバーチェンジしながら長時間に亘って張り込むことも。
よって、いわゆる調査の合間ってやつもしばしば発生するんです。
そんなとき、私はグルメに走っています!
現場近くで、ムムムと思うお店を突撃ルポ。
ミシュラン張りの覆面取材がストレス発散になるんです。
まあ、サクッと食べなきゃならないことが多いので、ラーメン屋のレパーリーばかり増えていっていますが、
たまに、凝った先付けなんかを出す小粋な居酒屋にも巡り合えるから止められない。
そんなお店との出会いが蓄積されて、復縁サポートの役に立ったりするので一石二鳥。
対象者と仲良くなって店に連れ出すときには、その店を選んだ感性を見定められるわけですから、知らない店など怖くてエスコートできません…。 だから店の引き出しを持つというのは侮れないポイントなんです。
さてさて、店と言えば酒。
酒というのは面白いもので、振り返ると、歩んできた人生の場面ごとに好みが違ったりする。
お恥ずかしい話ですが、以前、大失恋したとき…、といっても、彼女を寝取られたっているありきたりの失恋ですが、
ショックに耐え切れなくなった私は、かなりしつこく復縁を迫ってしまったんです。
当時は情熱と思っていましたが、今、考えると単なるストーカー(汗)。
最後には「アンタと付き合ってきた日々がなかったらと思う!」とまで言わせる始末。
キレイな思い出くらい残せたものを。
後悔、先に立たずな状況で、立ち直れないくらい落ち込みました。
そんなとき、私を温かく支えてくれたのが、ジンでした。
なぜジンかというと、たまたま買いに行ったスーパーで、一番、大きなボトルだったのがジンだったからというだけの理由なんですが…。
起きてから寝るまでの間、それこそ、毎日、浴びるように飲んでましたね。
その後、ジンの美味さに気付き、本格的な"マイ・ジン・ブーム"が到来したというわけです。
ジンを飲むと、今でも失恋の傷が蘇ってきます。
でも、なんだか懐かしい気持ちにもさせられる。
でも、そんな思いをしているからこそ、恋に悩む人の気持ちはよくわかるんです!
ジン・ブームの後は、シングル・モルトに走り、オヤジになった最近では胃に優しいビールがメインです。
まあ、そんな変遷を辿っている関係で、酒にまつわる話題には事欠きません。
加えて酒のウンチクも貯まっていきました。
対象者と打ち解けるための武器として、酒の知識も重要です。
酒のウンチクは嫌いな人がいないので、会話をつなぐのに便利な話題なんです。
まあ、こんなところにも、それまでの"生き様"が活かされているということなんですが、忘れてはいけないのが、依頼人のサポート。
自分のことはいったん棚の上に乗せるとして、人様の恋愛を見ていると、数々の地雷を踏んでしまっていることに気付かされます。
逆に、当事者には、そんな感覚がいっさいない。
つまり、この"気付き"を与えることも我々の重要な役目となっているのです。
かなりの苦言を呈することも多い。
そうやって詰めていくと、勘違いや暴走癖といった毒が出てくる出てくいる。
何とか正当化しようと必死な依頼人を説き伏せて、痛いところを突きまくるんです。
まるで膿を出すような作業なので、聞いているこちらも溜まってきます。
そんなとき、私は食に走る!
最近は便利なもので、シネマコンプレックスに行けばかなりのチョイス幅で映画を観ることができますよね?
私も、暇をみつけては映画館に行くことにしているのですが、そのときに欠かせないポップコーンもついつい大盛りを注文。
鷲掴みにしてバクバク食べながら鑑賞しています。これじゃ太るとわかっていながら止められない…。
人の悩みをゴクッと飲み込み隠れメタボリックな脂肪過多になりつつある昨今。
まったく「グリーン・マイル」の黒人じゃあるまいし。
しかし、いけないと思いながら、ついつい話を聞いてしまいます。
そうすることで救われるなら…。
求められるのは人間力?
いや、もしかすると一番、大事なのは優しさなのかもしれません。
恋愛を請け負う探偵業は、かくのごとく、なかなか奥が深いもの。
そこに恋の悩みがある限り、探偵の仕事に終わりはないのです!
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