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探偵ライダー

10年前の朝から調査に参加した数すでに1000件以上。

AM05:00。
まだ寝静まっている住宅街でバイクにまたがり一人の男性を待つ。
私が最初に参加した調査でした。

10年です。
ちょっとした憧れからこの業種に入り、もう既に10年が経ちました。
まさかこんなに続くとは思いませんでした。
突然現場に投げ出され、右も左もわからないまま調査に参加しました。
調査した結果が何に使われるかすら分からず...。

あとで知ったのですが、はじめての調査は浮気調査だったようです。
知ったというよりは実感したという言葉のほうが正しいでしょうか。
そもそもが浮気調査をメインに行っていた探偵社だったので。
当時はまだ恋愛工作というものが主流ではなく、浮気調査などの男女間のトラブルが主となり、私は一介の調査員として働いていました。
あくまでも調査員であり、調査以外のことは何もしない。
ただ上から与えられた業務をこなしていくだけという至って単調な業務でした。
何をしているかすらわからない。
何のために調べているのかがわからない。

相談員と調査員を分けてしまうとこのように現場と営業側とでギャップが生まれてしまう。
こうなってしまうと、結果的に依頼者の求めている結果を得られなかったこともあったのではないでしょうか。
しかし、それすらも分からない。

探偵社は善し悪しで、悪徳業者があるのも事実です。
私が以前身を置いていたところも後から知ったのですが"悪し"の部類に含まれる業者でした。
実際に苦情も多かったそうです。

苦情の大半は「言われたことと違う」というものでした。

現場と営業を区別してしまうとこのようになってしまうのです。
事実私は何の依頼なんかも分からず、依頼者が誰なのかも分からない。
また情報すらほとんど無い状態で業務をしていました。
本来欲しいものが現場ではなんだか分からない。
浮気の証拠入手が最終目的なのか、それとも全く別のものなのか。
ただ与えられた情報を基に調査をするだけ。
依頼者の声は現場に届いていなかったのです。

そんな探偵社を辞め、今の職場に付きました。
工作を知ったのもここに入ってからで、"恋愛請負人"としての仕事もはじめてでした。
調査業務はしてきたものの勝手が違う。

工作は調査の延長線上にあり、調査ができなければ工作が成り立たない。

しかし工作を考えて調査をしなければならない。
ただ尾行するだけでは駄目で、そのあたりを加味しながら情報を収集し、先の工作に役立てていく必要がある。
探偵だけやっていたところでは成り立たない仕事でした。

また「依頼者の生の声が現場に届く」というのは素晴らしいことだと実感しました。

これはFAX探偵ドットコムの特色なのですが、依頼者の意見を現場に反映。
状況をリアルタイムに報告しながら中止や継続の可否を取る。
また何をしたいのかをその都度依頼者より聞き、それを目指して実行する。
前の業者ではなかったシステムで何をすべきかがハッキリし、 そのために調査や工作を進められるという部分が現場に出ている私としてもやりやすいシステムだと思っております。

「件は現場で起こっている」というのはまさにその通りで、現場の状況を依頼者が分からなければ指示が出せない。
と同時に依頼者の考えが現場に伝わらなければ答えは出せないのです。
また現場と営業というように業務を二つに分けないで行うことで、よりスムーズに調査や工作が進められる。
何をすべきかが明確になれば、目的に応じた調査ができる。
とくに復縁工作に至っては依頼人の気持ちが全てで、最終的には依頼人自身が現場に参加しなければならない部分が出てきます。
現場に入るスタッフが要望を理解していなければ、よい調査は出来ず、それに準じて復縁をするのも無理が生じてしまうでしょう。

担当者が依頼人の心の声を聞き、担当者自らが現場に入る。
このようにすることで、リスクを軽減させ、成果を期待できるのだと私は思います。

10年前の朝から調査に参加した数すでに1000件以上。
しかしすべてにおいて同じものはありません。
常に新鮮で、返ってくる答えも違う。
方法もその都度考える必要があり、それが適しているかは進めてみなければわからない。
単調な仕事に就けない性分なもので、私はこの仕事があっているのだと思います。
たしかに休みが少ない、不規則というのは事実で、プライベートな時間を作るのも一苦労。
趣味だったバイクもいまでは...という状況ですが、この仕事に楽しさがあるからこそ続けられるのだと思います。

10年という月日がどれくらいのものか。
よく探偵BARでバーテンダーとして働いている時、「凄いですね。10年も働いているんですね」と言われることがありますが、 本当に凄いことなのか未だにわかりません。
継続は力なりと言いますが、どのくらい継続すれば一人前としての"恋愛請負人"になれるのかすらわかりません。

ただ少なからず自分の仕事が誰かのためになっているのだと思っております。

調査員として10年経ちますが、これからも"恋愛請負人"として恥じないよう努めていきます。

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